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「デザイン×データへ辿り着いた理由」 安藤 剛 - メンバーインタビュー #02

こんにちは。THE GUILDの市川(@nagiko726)です。

THE GUILDメンバーインタビュー第2回目の今回は、THE GUILDの共同創業者でUX/UI デザイナーの安藤さん(@goando)にご登場いただきます。

BtoBのエンジニアから、後に個人デベロッパーとしてAppStore総合1位になったiPhoneアプリを手がけ、最近ではデザインとデータの分野に力を入れている安藤さん。自身のキャリアから、仕事の枠を越えたTHE GUILDの部活動などについて、話を訊きました。

【目次】
・App Store総合1位のアプリの個人デベロッパーに
・データを基にすることで客観的な意思決定へと導く
・THE GUILDの運営について
・雪山にも登る、THE GUILDのカメラ部

ー 安藤さんは、THE GUILDの他メンバーとは異なった経歴の持ち主なのですよね。

THE GUILDのメンバーは広告系や制作会社を経てきた人が多いんですが、僕はBtoB側の出身なんです。

エンジニアとして新卒で大手SIerに入って、エンタープライズ向けの大きなシステムに多く関わってきました。その頃からエンジニリングをしつつ、インターフェースのデザインも担当させてもらっていて、それがUIに関わりはじめたきっかけですね。

BtoBなので過度な装飾はしないけれど、機能が整っているものが美しい、という感覚はそこで身についた気がします。障害で停止が許されないミッションクリティカルなシステムが多かったので、相当なプレッシャーのある職場でもありましたね。

数年後、ビジネス開発の部門に異動して、海外で優良な製品を発掘し、日本の市場向けにソリューションを開発して商流をつくるというような仕事をしていました。

当時、どうしても事業化したかった製品が一つあったんです。それは、米カーネギーメロン大学の博士達が作ったサーチエンジンのプロダクト。

でも、その会社では残念ながら事業化が出来なかったので、退社して、彼らと一緒に日本に展開するための会社を作りました。僕は日本側Techのトップとして、ローカライズをしたり、日本で展開するためのソリューションをつくったりと、その時にひととおりプロダクトのサイクルを学びました。そして5年後くらいに買収されました。

App Store総合1位のアプリの個人デベロッパーに

次に何をやろうかと考えていた時に、iPhoneが登場して。初めて触った時は本当にしびれました。この中で何か動くものをつくりたいという願望が湧いてきて、早速自分でアプリを作って、販売し始めました。

それまでBtoBのビジネスをやってきたので、プロダクトが市場に出るまでの難しさを痛感していたんですが、iPhoneアプリはApp Storeに出してしまえば、その瞬間に流通に乗ってしまう。そこが衝撃的で、楽しかったですね。

ー そのアプリってカレンダーアプリの「Staccal」ですよね。

そうです。有料アプリながら数十万もの人たちが使ってくれていたんですよ。

その数にリーチするためには、もちろんアプリを作るだけじゃダメで、プロモーションもしなきゃいけない。どういったチャネルを使って、どんな情報を届けるのか、自分で考えなければならないし、更に使ってもらった後にはカスタマーサポートも必要になるので、その方法も自分で考えなければいけない。

ー アプリを開発しつつ、プロモーションも自分で?

そうですね。今では一般的になりましたけど、当時、海外ではFlipboardやPaperなど動画のプロモーションを起点にユーザーの注目を獲得しているアプリが多かったので、プロモーション用の動画も、動画制作のノウハウを独学して、自分で作りました。

アプリの開発を通して、プロダクトのデザインから開発、ユーザーのサポートまで一連のプロセスを自ら手がけることに数多くの学びがありましたね。今、色々なクライアントのサービスのお手伝いをしているんですけど、その頃の経験が役に立っています。

― 安藤さんといえば、最近は手を動かすデザイナーというよりも、データを中心に活動されてますが、データに力を入れだしたのはいつ頃ですか?

昔からログデータを見るのは好きだったのですが、しっかり活用するようになったのは、個人でアプリデベロッパーになった時ですね。

分野がBtoBからBtoCに移った時に、周りにはクリエイティブ系の受賞歴があるようなクリエイターが多かったんですね。そんな中で、今後クリエイターとしてやっていくのに、何が自分のタイトルになり得るのか考えた末「App Storeで1位になること」というのを目標にしました。

ゴールから逆算して戦略を立てていくのが好きなので、まず有料アプリで1日のどれくらいのダウンロード数があるとApp Storeの総合1位になれるかということをリサーチをしました。

次にその数のダウンロードに達するには、どれくらいのユーザーのアテンションを獲得するために、どれくらいメディアに掲載され、何%コンバージョンすればいいのか。メディアに取り上げてもらうためにどんな素材が必要なのか。といったことを準備しつつ一斉にぶつけた結果、1位になれました。

これは今から6年位前の話なので、「グロースハック」といった言葉が出始める前でした。ダウンロードして終わりではなく、長く使ってもらう為にログを見て、ユーザーがどこでつまづいているのか、どんな機能がよくつかわれているのかなどを細かく分析していました。

データを基にすることで客観的な意思決定へと導く

THE GUILDの様なデザイン企業は、できるだけ多様なプロダクトに応用できるデザインのノウハウを一般化して蓄えていますよね。

ただ、そういった知見が常に特定のプロダクトにおいても最適解になるかと言うとそうではない場面もあり、プロダクトによって個別の条件下で、より具体的で、より最適化された解が求められたりします。

そうした時には汎用的なノウハウよりも、クライアントの持っているデータを基に客観的な意思決定をする必要があります。そういった事もあり、僕はデザインもやりつつ、一方でデータ分析を重視するアプローチをクライアントと一緒に取り組んでます。

THE GUILDの運営について

ー 話題は変わりますが、THE GUILDの運営について安藤さんの担当されている事を教えていただけますか。

なぎさんにもご協力いただいてますが、今年の5月くらいからTHE GUILDの活動を情報発信する事に取り組んでいます。このnoteをスタートさせたのもその一環ですね。

THE GUILDとして受ける業務の領域が広がっていく中で、サービスのUIやグラフィックのデザインは業務のごく一部になり、より大きな意味でクライアントのサービスに関わるコミュニケーションのデザインを求められる場面が増えてきました。

僕はそれをここ数年、学んできたんですけど ―― ふと自分たちのことに立ち返ってみると、THE GUILD自体があまり外に向けて情報発信をしていないなということに気づいたんです。

この活動を通して、色々なところでTHE GUILDについて語る場面も増えるので、なぎさんにコミュニケーション・マネージャーとして立っていただいて、少しずつ進めているところです。

雪山にも登るTHE GUILDのカメラ部

ー このnoteの写真は、基本的に撮影:安藤、現像:市川のチームで担当していますが、安藤さんといえば、やはりカメラですよね。

THE GUILDのメンバーには写真好きが多くて、カメラを持ち寄って、撮影の勉強会をしたり、カメラを愛でたりする部活動を不定期で行っています。

ー 先日もオフィスで「ライティング勉強会」をやったじゃないですか。技術面もそうですが、機材に関しても、みんな突き詰めてるのがいいですよね。

お互い負けず嫌いですよね(笑)。

オフィスで行われたライティング勉強会の様子

僕は写真だけでなく、動画も撮るんです。2年ほど前にドローンを購入してからハマってしまって、THE GUILDのカメラ部のメンバーにもおすすめしたところ、4,5人購入してましたね。そのメンバーで数ヶ月に1回集まって、ドローンを飛ばしに行ったり。

ドローンでの撮影にハマったせいで、登山もするようになってしまいました。今年の2月はみんなで雪山に登りにいきましたよね。

ー 今年はドローンを飛ばすために2回、雪山に登りましたね。雪山登山自体は最高でしたが、気温がマイナス16度とかで、ドローン飛ばすどころじゃなかったですけど……。

他のTHE GUILDのメンバーも、プライベートで何かの趣味にのめり込んでいる人が多いので、非常にクリエイターらしさを感じますね。

今後もしTHE GUILDに加わっていただける方がいたら、夢中になっているものを皆に共有してもらえると世界が広がっていいなと思います。

ー ありがとうございました。

安藤 剛 / Go Ando
THE GUILD Co-Founder / Mobile and Design CEO

SIerにて大規模システムの提案・構築、海外事業開発等を歴任後、検索エンジンベンチャーの設立に参画。2012年よりTHE GUILDを創業し、デザイン・エンジニアリング・データアナリティクスを中心にサービスの価値向上を支援。2016年より動画ストリーミングサービス「U-NEXT」の技術顧問。

Twitter : @goando

安藤さんのnoteは、Twitterでも日々発信されているデータ・ヴィジュアリゼーションの図解をまとめた記事など、デザインに関わる方だけでなく、ビジネスパーソンにもお勧めの内容です。