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メンバーに訊くTHE GUILDの今とこれから - Inside THE GUILD 後編

こんにちは。THE GUILDの市川(@nagiko726)です。

Inside THE GUILDの後編となる今回は、THE GUILDの設立メンバーを中心とした、経営の要、ボードメンバー7名を集めて、対談を決行。

6年前にTHE GUILDを設立した背景から、実際にTHE GUILDに所属をして仕事をすることについて、そしてこれからの組織のあり方について、ざっくばらんに語って頂きました。

深津 貴之 CEO / UI/UX Designer
安藤    剛 Co-Founder / UI/UX Designer
奥田 透也 Interaction Designer / Creator
大宮 聡之 UX/UI Designer
川﨑 有亮 Co-Founder / Chief Architect
北田 荘平 Co-Founder / UI Designer
山口 真人 Co-Founder / IT Architect

THE GUILDが誕生した背景

深津:フリーランスでアプリやサービスの設計を手掛ける中で、僕が個人的に一番大きな課題だと思っていたのは、デザイナーであれ、エンジニアであれ、もっとビジネスの上流からアクセス出来ればより価値を発揮できるはずなのに、その道がないということだったんです。

働き方という面でも、ひとつ仕事を断ってしまったら、そのクライアント疎遠になってしまったりとか、身体を壊してしまったら働けなくなってしまうとか、いろんなリスクを孕んでいるのがフリーランスで。

そこで、デザイナーやエンジニアを集まりスケールメリットを出すことで、これらの課題を解決し、更にスペシャリストが知見を共有する事で各々がより成長する場を作る事が出来ないかと思ったのが、THE GUILDの仕組みをつくった根源の部分ですね。


3年経って気づいたTHE GUILDの真価

北田:自分はTHE GUILDを立ち上げた6年前、唯一の20代だったんですが、正直なところ、そのありがたみに気づくのに3年かかりました。

年齢を重ねたり、THE GUILDが以前よりも多くの人に知られるようになったせいもあると思うのですが、いつの間にかクライアントからも、自分個人ではなく、THE GUILDと仕事をすることを求められてるな、と感じることが増えてきて。

THE GUILDなら「こんな課題も解決できるのでは」というような期待を持ってもらえるようになってきたんですよね。

結果的に、色々なことを任せてもらえるようになり、仕事のスケールが広がり、より大きな取り組みにチャレンジ出来るようになりました。

安藤:僕はTHE GUILD設立当初は、深津さんと同時期に自分が開発したアプリでApp Storeでビジネスをしていて、クライアントワークにはそれほどコミットしていなかった。

クライアントワークをメンバーと進める中で、THE GUILDにはデザインでもエンジニアリングでも自分よりも専門特化した人たちがいて、自分で完結するのではなく、そういった人たちと一緒に取り組む事で遥かにクオリティが高いアウトプットが出来る事がわかってしまった。

その後、僕はデザインとエンジニアリングの両方の領域の経験を活かして、デザイナーとエンジニアがより高いクオリティをアウトプットが出来るように橋渡しをする役割に向かって行ったんですよね。

山口:デザインの分野にしろ、エンジニアリングにしろ、自分より優れたスキルを持つ人と働ける環境というのは面白いところですよね。

一緒にチームを組まずとも、THE GUILDという同じ輪の中にいるので、下手なものは出せないという緊張感もありますね。それがアウトプットのクオリティの底上げにもつながってる。

ー 深津さん、安藤さん、山口さん、川﨑さん、北田さんは設立メンバーですが、奥田さんと大宮さんはのちにメンバーとして加わったかたちですよね?

奥田:フリーランスだと、絶対に失敗ができないので、安全路線に行きがちじゃないですか。自分に出来ることをやっていくという方向を選ぶので、先鋭化はできるんですけど、自分の軸を広げることーーつまり、勉強することに対して、意識的に時間やお金を費やさないといけないので、そこが難しいところだなと思っていたんです。

THE GUILDとして関わる案件では、自分がコミットしながら他の人のコミットも見れるので、仕事をしながら勉強ができる。やはり個人の成長だったり、自己実現のためにも、チームでやっていくということは有効だなと。

大宮:僕は個人の会社にスタッフがいるんですけど、自分が外にいることが多かったこともあって、どうしても独りで黙々と仕事をしてもらう時間が多かったんです。ほかのデザイナーの仕事の仕方を見たりコミュニケーションを取ったりできる環境をつくってあげたかった。それがTHE GUILDに参画した1つの理由ですね。

実際、参画後はスタッフのモチベーションや向上心のUPは目に見えて、仕事に対する姿勢とか制作物の質も大げさじゃなく指数的に伸びたと感じました。環境って大事だな、とあらためて実感しましたね。


自由にパーティを組めるから仕事の幅が広がる

ー 最近THE GUILDとして関わっている具体的なプロジェクトは?

大宮:トヨタのコネクティッドカー向けアプリ「MyTOYOTA for T-Connect」の開発に設計段階から関わっています。

THE GUILDからは、途中から関わってもらうようになったメンバーも含めて9人、外注さんも一緒に動いてます。

当初、種となるコンセプト案は深津さんが作って、僕はそれを芽吹かせて花を咲かせるためのチームメイクを随時しながらプロダクトレベルの設計・デザインへの落とし込みを行ってきました。 ビジョンを継承しつつプロダクトを昇華していけるのもTHE GUILDのユニークな点ですよね。

アプリはプロトタイプから本実装を見据えたつくりを検討しておくことが最終的な品質に直結するのですが、そのときにエンジニアとデザイナー間の意思疎通が重要です。THE GUILDではそこがスムーズかつ密結合にできるんです。

また、ユーザ体験において「言葉」は重要な要素なのですが、今回コピーライティングをUXデザインチームで担当したこともTHE GUILDらしさかもしれないですね。

外部のアドバイザーは入れましたが、UXデザイナーがライティングまでを担当するという横断的なコミット能力は他の組織では育みにくいところなのではないかと思います。

安藤:僕が技術顧問として関わっている動画配信サービスのU-NEXTは、かれこれ4年近く、THE GUILD内外から色々な人に関わってもらって、継続しているプロジェクトです。

4年前にU-NEXTのサービスのフルリニューアルをご依頼いただいた事を皮切りに、TV向けインターフェースでの経験が長かったTHE GUILDメンバーと一緒に大規模なリサーチをしました。

その後、THE GUILDのiOS専門チームや、Androidアプリで有名なuPhycaさんチームにもご協力いただいて、TV、iOS、Android、PlayStation等のリニューアルも担当させていただきました。

リニューアル後はU-NEXT社内でUXデザインを内製するために、デザインチームの立ち上げを支援して、またCIのリニューアルまで任せていただきました。これも1年がかりのプロジェクトだったので、ロゴやブランディングで有名な三階ラボさんとチームになって取り組みました。

現在は更にデータ分析からの戦略支援をお手伝いしてるのですが、これも新たにTHE GUILDメンバーのデータアナリストを参加させ、一緒に取り組んでいます。

スタートに戻って振り返ってみると、この4年でやったことは、殆どが自分には出来なかった事ばかりで、状況に応じて他メンバーやTHE GUILDのネットワークを活かして外部のスペシャリストの力を借りるという、THE GUILDの特徴を最も活かしたプロジェクトじゃないかと思っています。

川﨑:そういったときにTHE GUILDのメンバーである/なしに左右されず、対等な関係でフラットなチームが組める。

設立当初の目的としては、仕事をシェアしようという部分が大きかったけれど、各々のスキルや能力をメンバー間で共有していくことができるという点もTHE GUILDの在り方の面白さですよね。


組織として、メンバーとして、THE GUILDの先にあるもの

― 設立から6年が経ち、メンバーも増え、規模も大きくなってきていますが、今後のTHE GUILDが目指す姿のようなものはありますか?

安藤:個人的には、私や深津さんのように外部顧問やCxOとしてクライアント企業により深くコミットする人材をもっと輩出したいですね。

THE GUILDのユニークネスは、メンバーの専門領域が多様で、得意な領域が異なる人材が数多く揃っているというところ。それに加えて一人ひとりが経営者である事から、経営マインドを持ちつつ複数の専門領域を行き来できる人材が育つ環境なのが、THE GUILDの特徴なのかなと思ってます。

大宮:僕は現場主義ということもあって、クリエイティブを担当するデザイナーを多く育てたいと思ってます。

THE GUILD基準の品質のアウトプットを出せるデザイナーをどうやって育てていけばよいのか、育成のスキームを考えなければならないと思っていますね。

深津: 結局のところ、GUILDに入ろうが入らなかろうが、勉強するのを怠ると、フリーランスの先に待っているのは、結局、死、なんですよ。そこはみんなリアリティを持ったほうがいいのではと思います。

勉強するにはいい環境、そして共に成長するにも良い仕組みをつくったけど、そこで勉強をしようとしなかったり、人と共に成長しようとしなかったりしたら、意味がないですよね。スポーツジムと同じで、会員登録しただけでマッチョになれるわけじゃない。

将来的には、よりスケールメリットがでる部分に投資をしていきたいと思ってますね。学習メソッドだったり共通化していける知識やツール、アセット、スキルといった部分です。

川﨑:最近はTHE GUILDでスタートアップ投資をし始めているじゃないですか。

スタートアップの中の人としてやるんじゃなくて、THE GUILDの枠を通じて、投資という形でスタートアップに参画ができる、というのも新しいスキームですよね。働き方や仕事のやり方、というよりも、お金の動き方の部分で新しい。

奥田:僕は、当初パートナーから始まって、後にボードメンバーになったこともあって、THE GUILDでの立ち位置をひと通り経験しているんですけど、正直どういうかたちでも良いのではと思っていて。

各々が居心地がいい、自分のためになる場所や立場を選んで、どこにいても対等に関わり合えるところもTHE GUILDの良さなのかなと。去る者追わず、来る者拒まずの仕事場ですよね。

ー ありがとうございました。

前後編でお届けした「Inside THE GUILD」。THE GUILDの仕組みやコンセプトを少しでもご理解いただけましたでしょうか。

各々が独立して活動しているからこそ、組織に対する想いには少しづつ異なる部分もありますが、どのメンバーにも共通するのは、真摯な態度で課題に向き合う、勤勉なマインド。それらが、常にアップデートを続けながら進化していくTHE GUILDのカルチャーを形作っていると個人的にも実感しています。

今後はメンバー個々にフォーカスしたインタビューや各種勉強会のレポートなどを随時公開していく予定です。お楽しみに。